STEP5面接・2次選考
この記事の情報は 2026-10-10 時点のものです。最新の情報は、特別区人事委員会の発表を確認してください。
特別区(東京23区)の経験者採用は、令和9年度(2027年度)から2次選考のやり方が変わります。
結論から書くと、2次選考は人事委員会ではなく、各区・組合が1次合格者に対して個別に行う形になります。特別区人事委員会が2026年9月9日に発表しました。
この記事では、令和8年度までの流れと令和9年度からの流れを並べ、公式に発表されていることと、まだ発表されていないことを分けて整理します。
結論:何が変わるのか
| 項目 | 令和8年度まで | 令和9年度から |
|---|---|---|
| 名称 | 経験者採用試験・選考 | 経験者採用選考 |
| 1次(事務) | 教養試験+論文 | SPI3(テストセンター方式)+論文 |
| 2次を行うところ | 特別区人事委員会 | 各区・組合 |
| 2次の中身 | 口述試験(個別面接) | 面接等(細部は未発表) |
| 最終合格の位置 | 人事委員会の2次のあと。その後に区の面接を経て内定 | 各区・組合の2次選考のあと |
| 区への引き継ぎ | 最終合格のあと | 1次合格のあと |
「組合」は、23区が共同でつくっている一部事務組合(清掃事業など)のことです。
いちばん大きな違いは、区とのやりとりが始まる時期が「最終合格のあと」から「1次合格のあと」に早まる点です。2次選考そのものが区ごとの面接になるので、「なぜこの区なのか」を話す場面が合否に直接かかわるようになります。
令和8年度までの流れ
令和8年度の秋試験案内では、流れは次のとおりでした。
- 1次試験・選考(事務は教養試験と論文)を人事委員会が実施
- 2次試験・選考(口述試験)を人事委員会が実施。内容は「人物、職務経験及び職務に関連する知識等についての個別面接」
- 人事委員会が1次と2次の結果を総合して最終合格者を決定
- 人事委員会が、原則として合格者の希望区などを考慮して区などへ推薦・提示
- 区などが面接を行い、内定を出す
つまり令和8年度までは、人事委員会の面接と区の面接の2段階がありました。いわゆる「区面接」は、最終合格のあとに行われていたものです。
最終合格のあとに区へつなぐ手続きは、1級職と2級職・3級職で名前が違います(推薦と提示)。どちらも「希望者の集中等の状況によっては、希望どおりにならない場合がある」と試験案内に書かれていました。
令和8年度の日程(参考)
「区面接の日程」を調べている人のために、令和8年度の実際の日程を載せます。令和9年度の日程ではありません。
| 段階 | 令和8年度の日程 |
|---|---|
| 申込受付 | 6月25日〜7月16日 |
| 1次試験・選考 | 9月6日 |
| 1次合格発表 | 10月23日 |
| 2次試験・選考(人事委員会の個別面接) | 10月31日、11月1日・3日・7日・8日のうち人事委員会が指定する1日 |
| 最終合格発表 | 11月20日 |
2次の日時は人事委員会が指定し、変更はできないとされていました。最終合格のあとに行われる区の面接の日程は、試験案内には載っていません。
令和9年度からの流れ
2026年9月9日の報道資料によると、令和9年度からは次の流れになります。
- 人事委員会が1次選考を実施(事務はSPI3と論文)
- 1次合格を発表
- 1次合格者を、人事委員会から区または組合へ引き継ぐ
- 引き継がれた区・組合が、2次選考(面接等)を個別に実施
- 2次選考を経て最終合格、採用へ
報道資料では、この変更のねらいを「受験者と各区・組合の相互理解を促進し、志望動機や意欲をよりアピールできる選考」と説明しています。
最終合格をどこが、どのように発表するかは、報道資料には書かれていません。令和9年度の試験案内で示される予定です。
変更の対象は区分によって違う
2つの変更は、対象の範囲が違います。
| 変更 | 対象 |
|---|---|
| 教養試験の廃止とSPI3の導入 | 経験者採用【秋試験】の事務(一般事務・ICT) |
| 2次選考を各区・組合が実施 | 経験者採用と障害者を対象とする採用選考 |
今回の発表では、1次の変更は事務(一般事務・ICT)の秋試験が対象とされています。一方、2次を区ごとに行う変更は経験者採用全体が対象です。事務の論文試験は、従来どおり人事委員会が指定する日時・会場で行うとされています。SPI3については SPI3の記事 で整理しています。
区への引き継ぎで発表されていること
引き継ぎについて、報道資料に書かれているのは次の点です。
- 受験者の希望区等を考慮して、1次合格者を人事委員会から区または組合へ引き継ぐ
- ただし、採用予定や希望者の集中等の状況によっては、希望どおりにならない場合がある
「希望どおりにならない場合がある」という書き方は、令和8年度までの推薦・提示の説明にもありました。新しく加わった注意書きではなく、もともとある仕組みが1次合格の段階に前倒しされた、と読むのが自然です。
まだ発表されていないこと
2026年10月10日時点で、次の点は公表されていません。令和9年度に公開される採用試験案内で示される予定です。
- 希望区を何区まで出せるか
- 希望をいつ、どのように出すか(申込時か、1次合格のあとか)
- 希望が集中したときに、引き継ぎ先をどう決めるか
- 引き継がれた区で不合格になったとき、別の区へ引き継がれることがあるか
- 各区の2次選考の中身(面接の回数、面接以外の選考の有無、日程)
- 2次選考で職務経歴書をどう使うか
- 最終合格の発表のしかた
ネット上で「〇区までは書ける」「面接は2回」といった話を見かけても、現時点では公式の根拠がありません。試験案内が出るまでは、決めつけずに待つのが安全です。
区ごとの2次選考に向けて、いま準備できること
引き継ぎ先は受験者が決められません。だからこそ、どの区に引き継がれても話せる状態をつくっておくことが、いちばん確実な準備です。
| 準備 | 内容 |
|---|---|
| 第1志望の区を深く調べる | 基本計画(区の中長期の計画)と当初予算の資料を読み、自分の経験とつながる事業を見つける |
| 第2・第3志望を用意する | 住んでいる、通勤している、仕事で関わったなど、接点のある区を2〜3区選ぶ |
| 区ごとに一言で言えるようにする | 「この区のこの事業に、自分のこの経験が生かせる」を区ごとに1文で言えるようにする |
| 職務経歴書を整える | 令和8年度までは申込時に入力し、2次の参考資料とされていた。令和9年度の扱いは試験案内で確認する |
| 論文の準備を並行する | 1次を通らなければ2次に進めない。論文の比重は変わらない |
論文の準備は 職務経験論文の書き方 と 課題式論文の書き方、1年の進め方は 勉強スケジュール にまとめています。制度全体は 試験の概要 から確認できます。
志望動機と区の調べ方はnoteで
「なぜこの区なのか」の組み立て方や、区の計画・予算資料の読み方の実践は、noteで少しずつ書いています。志望動機が思いつかないときの考え方や、23区を1区ずつ読む記事もあります。

