特別区経験者採用の論文、90分の時間配分と下書きの作り方

特別区経験者採用の論文、90分の時間配分と下書きの作り方 論文

STEP3論文を書く

この記事の情報は 2026-10-10 時点のものです。最新の情報は、特別区人事委員会の発表を確認してください。

この記事でわかること

  • 公式の問題用紙に書かれている時間・字数・メモの扱い
  • 90分で全文の下書きをしない理由と、骨子メモの作り方
  • 経過時間ごとに「何字まで書けていればよいか」の目安
  • 手書きの字数の数え方と、時間が足りないときの優先順位

結論から書きます。特別区(東京23区)の経験者採用の論文は、1時間30分で1,200字以上1,500字程度を手で書く試験です。この時間で全文の下書きと清書を両方するのは難しいため、「下書き」は問題用紙の余白に書く骨子メモにとどめ、解答用紙には最初から本番の文章を書くのが現実的です。

全体の時間配分(題の確認3分・設計12分・執筆60分・見直し15分)は 職務経験論文の書き方 に表でまとめています。この記事では、その配分を本番で守るための具体的な方法を扱います。

公式の問題用紙に書かれていること

令和6〜8年度の経験者採用の職務経験論文・課題式論文の問題用紙には、注意事項として次のことが書かれています。

注意事項 時間配分との関係
解答時間は1時間30分 1本ごとに90分。2本を書く区分でも、時間は別々
字数は1,200字以上1,500字程度 下限があるので、書き切る時間を先に確保する
論文は解答用紙に記入。問題に記入しても採点しない 問題用紙に書いた下書きは採点されない
余白はメモに使ってください 骨子メモは問題用紙の余白に書いてよい

令和8年度の事務(一般事務)は、教養試験と論文2本を同じ日に受ける日程でした(試験案内)。令和9年度(2027年度)からは、事務(一般事務・ICT)の教養試験がSPI3に変わり、論文は従来どおり人事委員会が指定する日時・会場で実施されます(報道発表資料 2026年9月9日)。論文の日時や順番は、令和9年度の試験案内で示される予定です。

「下書き」は骨子メモにする

1,400字を手で書くには、慣れた人でも40〜60分ほどかかります(当サイトの見立てです)。全文を下書きしてから清書すると、書く量が2倍になり、90分では足りなくなります。

そこで、問題用紙の余白に、文章ではなく「単語と矢印」で骨子を書きます。次は当サイトがすすめるメモの形です。

メモの欄 書くこと 書き方
題 問題文のキーワード 職務経験論文なら「経験」「踏まえて」「立場」に下線を引く
序論 主張 10〜15字の一言にする
本論 取組(解決策)を2〜3本 ①②③と番号を振り、各10字程度
経験 使う経験(職務経験論文) 「何を→どう変えた」を矢印でつなぐ
結論 締めの一言 立場(1級職・2級職など)を書き添える

骨子メモに時間をかけすぎないことも大切です。メモは自分だけが読めれば十分で、文を整える必要はありません。設計の12分は、このメモを作り、書く順番を決める時間です。

経過時間ごとの目安

60分の執筆で1,400字前後を書くと、1分あたり約23字の計算になります。次の表は、試験開始からの経過時間に対して「ここまで書けていれば予定どおり」という当サイトの目安です。

経過時間 終わっていたいこと 書けている字数の目安
15分 骨子メモが完成し、書き始める 0字
30分 序論が書き終わる 約300字
50分 本論の1本目(職務経験論文では経験の段落も)まで 約750字
65分 本論の最後の1本まで 約1,150字
75分 結論まで書き終わる 約1,350字
90分 見直しが終わる ―

試験会場では時計を見られる位置に置き、30分・50分・65分の3回だけ確かめるようにすると、時計を見すぎて手が止まることを防げます。腕時計の扱いなど会場の持ち物は、受験票や試験案内の指示に従ってください。

手書きの字数の数え方

解答用紙の様式(マス目か罫線か、1行が何字か)は公表されていません。どちらの用紙でも使えるように、次の2つを準備しておきます。

  • マス目の用紙の場合:1行のマス数がわかれば、「書いた行数 × 1行のマス数」で大まかな字数が出ます。段落の最初の1マスや、段落の終わりの空きマスを字数に数えるかは公表されていないため、空きマスを除いても1,200字に届く量を目安にすると安心です
  • 罫線の用紙の場合:練習のときに、自分の字の大きさで1行に平均何字書くかを測っておきます。本番では「書いた行数 × 自分の1行の字数」で見当をつけます

練習の段階で、次の2つの数字を自分で測っておくと、本番で迷いません。

  1. 自分の1分あたりの字数(10分書いて字数を数え、10で割る)
  2. 1,200字・1,400字が、自分の字で何行になるか

1分あたりの字数が20字を下回る場合は、骨子メモを短くして執筆の時間を増やすか、漢字に迷って手を止めない、一文を短くするなどで、書く速さを上げる工夫が必要です。

時間が足りないときの優先順位

本番で予定より遅れたときに、何を残し、何をあきらめるかを先に決めておきます。次は当サイトの考え方です。採点基準は公表されていないため、「こうすれば点が残る」とは言えませんが、指示に答えていない答案になる事態は避けたほうが安全です。

まず、課題式論文では、選んだ課題の題名を論文用紙の題名欄に正確に書くよう、問題用紙で指示されています。これは書き始める前に済ませておきます(数秒で終わり、後回しにすると忘れやすいためです)。

そのうえで、遅れたときは次の順に優先します。

優先順位 内容 理由
1 結論まで書き終える 結論がないと、主張が途中で終わった答案になる
2 1,200字の下限に届かせる 問題文の字数の指示を満たすため
3 見直し 誤字や「です・ます」の混在を直す

具体的には、次のように動きます。

  • 65分の時点で本論の最後の1本に入れていなければ、その1本はあきらめ、残りの本論を少し厚くしてから結論に入る
  • 75分を過ぎても結論に入れていなければ、本論を途中で切り上げ、結論を2〜3文で書く
  • 見直しの時間がなくなっても、字数の確認だけは最後に行う

時間配分の失敗例(設計を飛ばす、序論に時間をかけすぎるなど)は 職務経験論文の書き方 で扱っています。形式面の基本ルールは 題名・字数・原稿用紙の基本ルール、序論と結論の書き方は 序論と結論の書き方 にまとめています。

練習の進め方

  1. 最初の1本は時間を測らずに書き、書き終わった時間と字数を記録する
  2. 2本目からは90分で区切り、上の「経過時間ごとの目安」と比べて、どこで遅れたかを書き出す
  3. 骨子メモだけを12分で作る練習を、過去のテーマで繰り返す

令和6〜8年度に出題されたテーマは 過去問の入手方法 で確認できます。働きながらの練習の段取りは 勉強スケジュール で整理しています。

有料パックについて

90分で書き切る感覚をつかむための答案例(字数つき)と段落ごとの解説は、特別区経験者採用 論文・面接対策パック にまとめています。自分で時間を測って書いてみて、分量の目安がほしいときの選択肢としてどうぞ。

出典

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