特別区経験者採用とI類の違い|受験資格・試験内容・どちらを受けるか

特別区経験者採用とI類の違い|受験資格・試験内容・どちらを受けるか 試験・制度

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この記事の情報は 2026-10-10 時点のものです。最新の情報は、特別区人事委員会の発表を確認してください。

この記事でわかること

  • 経験者採用とI類の受験資格の違い(年齢・職務経験)
  • 試験内容と日程の違い(令和8年度)
  • 同じ年度に両方は申し込めないという併願のルール
  • どちらを受けるか考えるときの材料

特別区(東京23区)の事務職に社会人から入る道は、主に「経験者採用」と「I類採用試験」の2つです。

結論から書くと、いちばん大きな違いは次の3つです。

  • 経験者採用は職務経験が必要で、年齢の幅が広い。I類は職務経験が不要で、年齢の範囲がせまい
  • 経験者採用には職務経験論文があり、I類には専門試験(法律・経済など)がある
  • I類に申し込んだ人は、同じ年度の経験者採用に申し込めない

以下、令和8年度(2026年度)の試験案内をもとに、事務(一般事務)で比べます。令和9年度の条件は、来年度の試験案内で確認してください。

一覧で比べる(令和8年度・事務)

経験者採用【秋試験】 I類採用試験【春試験】
年齢 昭和40年4月2日以降に生まれた人 平成7年4月2日〜平成17年4月1日に生まれた人(※)
職務経験 必要(下で説明) 不要
採用予定数 1級職244名程度/2級職145名程度 1,039名程度
申込期間 6月25日〜7月16日 3月6日〜3月23日
1次の日 9月6日 4月19日
教養試験 1時間45分(1級職は45題中35題) 2時間(48題中40題)
専門試験 なし 1時間30分(55題中40題)
論文 職務経験論文と課題式論文(各1時間30分・1,200字以上1,500字程度) 課題式論文(1時間20分・1,000字以上1,500字程度)
2次 人物、職務経験、職務に関連する知識などについての個別面接 人物、職務に関連する知識などについての個別面接
最終合格発表 11月20日 7月24日

※I類【春試験】は、平成17年4月2日以降に生まれた人でも、大学(短期大学を除く)を卒業した人や令和9年3月までに卒業見込みの人などは受験できます。

日付はすべて2026年です。I類【春試験】の試験案内には「この試験の出題の程度は、大学卒業程度のもの」と書かれています。

受験資格の違い

経験者採用:職務経験の年数がカギ

経験者採用は年齢の幅が広いかわりに、民間企業などでの職務経験が必要です。令和8年度の条件は次のとおりでした。

採用区分 必要な職務経験
1級職 直近10年のうち4年以上
2級職(主任) 直近14年のうち8年以上
3級職(係長級) 直近18年のうち12年以上

事務(一般事務)は、業務の内容を問いません。数え方には次のような決まりがあります。

  • 1つの事業所で、週20時間以上働いていたこと
  • 満22歳になった年度の次の年度の4月1日以降の期間であること
  • 複数の会社の経験は、1社で1年以上のものなら通算できる

令和8年度の秋試験では、事務(一般事務)の3級職は募集されていません。どの級を選ぶかは1級職・2級職・3級職の選び方でくわしく説明しています。

I類:年齢の範囲に入っていれば、職務経験は不要

I類【春試験】の事務は、職務経験を求めていません。社会人でも、年齢の条件に当てはまれば受けられます。

なお、令和8年度のI類【秋試験】は、土木造園(土木)・土木造園(造園)・建築・機械・電気の技術系5職種の試験で、事務の募集はありませんでした。秋試験の案内では、平成7年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人を「22歳以上32歳未満の受験者」(令和9年4月1日時点)と説明しています。

試験内容の違い

経験者採用は「仕事の経験」を問う

経験者採用の1次には、職務経験論文があります。令和8年度の課題は「業務改善と生産性向上について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場で論じてください」というものでした。2次の面接でも、職務経験が問われます。

これまでの仕事を文章と面接の両方で説明する作りになっているのが、経験者採用の特徴です。書き方は職務経験論文の型で説明しています。

I類は「専門知識」を問う

I類【春試験】の事務には、専門試験があります。出題は次の11分野・各5題から、55題中40題を選んで解きます。

分野
憲法、行政法、民法①(総則・物権)、民法②(債権・親族・相続)
ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学
経営学、政治学、行政学、社会学

法律や経済を大学で学んでいない社会人にとっては、ここが大きな負担になります。

教養試験の扱い

令和8年度は、どちらにも教養試験がありました。経験者採用は教養試験の成績が一定点に届かないと論文が採点されず、I類の事務は五肢択一式試験(教養・専門)の成績が一定点に届かないと論文が採点されないしくみでした。ただし、経験者採用の事務は、令和9年度から教養試験がなくなり、SPI3(テストセンター方式)に変わります。I類・III類はこれまでの方式のままです(2026年9月9日の報道発表)。くわしくはSPI3の記事をご覧ください。

同じ年度に両方は申し込めない

見落としやすいのが併願のルールです。令和8年度の各試験案内には、次のように書かれています。

ルール 書かれている試験案内
I類採用試験に申し込んだ人は、試験区分や受験の有無にかかわらず、同じ年度の経験者採用に申し込めない 経験者採用【秋試験】、I類【春試験】、I類【秋試験】
I類【早期SPI枠】に申し込んだ人は、同じ年度のI類【春試験】と経験者採用【春試験・秋試験】に申し込めない I類【早期SPI枠】
前年度以前のI類【春試験・秋試験】の採用候補者名簿に載っている人は、経験者採用に申し込めない(申し込む前に名簿削除の申出が必要) 経験者採用【秋試験】

つまり、I類に申し込んだだけで、実際には受けなかったとしても、その年度の経験者採用には申し込めません。

年齢と職務経験の両方の条件に当てはまる人(たとえば20代後半から30代前半で、職務経験が4年以上ある人)は、申し込む前に、その年度はどちらを受けるか決めておく必要があります。

数字で見る(令和8年度)

経験者採用【秋試験】事務 1級職 経験者採用【秋試験】事務 2級職 I類【春試験】事務
採用予定数 244 145 1,039
申込者数 1,668 1,055 6,744
1次受験者数 1,218 771 5,919
最終合格者数・倍率 11月20日発表予定 11月20日発表予定 2,363人・2.5倍

経験者採用の過去の倍率は倍率の記事にまとめています。採用予定数や倍率は年度によって変わるので、数字だけで有利・不利を決めないほうがよいでしょう。

どちらを受けるか考える材料

どちらが正解というものはありません。考えるときの材料を並べます。

材料 考え方
年齢 I類の年齢の範囲を超えていれば、選べるのは経験者採用
職務経験の年数 経験者採用の1級職の条件(直近10年のうち4年)に届いているか
準備にかけられる時間 I類は専門試験(11分野)の勉強が必要。経験者採用は論文2本と面接の比重が大きい
自分の強み これまでの仕事を言葉にして伝えたい人は、経験を問われる経験者採用のほうが向き合いやすいかもしれない
時期 令和8年度はI類が春(3月申込・4月試験)、経験者採用が夏から秋(6〜7月申込・9月試験)

令和9年度の日程や条件は、来年度の試験案内で発表されます。決める前に、最新の案内を確認してください。全体の流れは経験者採用の概要と試験スケジュールにまとめています。

経験者採用を受けると決めた方へ

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出典

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