STEP1制度を知る
この記事の情報は 2026-10-10 時点のものです。最新の情報は、特別区人事委員会の発表を確認してください。
特別区経験者採用の事務(一般事務)の倍率は、1級職が3〜4倍前後、2級職が4〜5倍前後です(令和6・7年度)。令和3年度は1級職7.6倍・2級職12.9倍でしたが、採用予定数が増えたことで、ここ数年は大きく下がっています。
この記事の数字は、すべて特別区人事委員会が公表している「実施状況」から取っています。
倍率は「1次受験者数÷最終合格者数」
先に、倍率の意味を確かめておきます。
人事委員会の実施状況の表にある「倍率」は、1次試験を実際に受けた人の数を、最終合格者の数で割った数字です。表の数字で計算すると一致します。
- 令和6年度 1級職:1次受験者1,165人÷最終合格者385人=約3.03 → 表の倍率は3.0
- 令和3年度 1級職:1次受験者1,302人÷最終合格者172人=約7.57 → 表の倍率は7.6
申込者数で割った数字ではありません。申し込んでも当日受けない人が毎年4人に1人ほどいるため、申込者数で割ると、実際より高い倍率に見えます。ほかのサイトで違う倍率を見かけたときは、何で割っているかを確かめてください。
1級職 事務(一般事務)の推移
| 年度 | 採用予定数 | 申込者数 | 1次受験者数 | 1次合格者数 | 2次受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度(2021) | 110名程度 | 1,799 | 1,302 | 315 | 305 | 172 | 7.6 |
| 令和4年度(2022) | 143名程度 | 1,702 | 1,287 | 436 | 424 | 215 | 6.0 |
| 令和5年度(2023) | 207名程度 | 1,516 | 1,146 | 561 | 524 | 289 | 4.0 |
| 令和6年度(2024) | 291 | 1,540 | 1,165 | 672 | 627 | 385 | 3.0 |
| 令和7年度(2025) | 255 | 1,563 | 1,177 | 618 | 584 | 338 | 3.5 |
| 令和8年度(2026) | 244 | 1,668 | 1,218 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | ― |
2級職(主任) 事務(一般事務)の推移
| 年度 | 採用予定数 | 申込者数 | 1次受験者数 | 1次合格者数 | 2次受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度(2021) | 44名程度 | 1,093 | 762 | 159 | 154 | 59 | 12.9 |
| 令和4年度(2022) | 63名程度 | 968 | 695 | 220 | 211 | 88 | 7.9 |
| 令和5年度(2023) | 86名程度 | 1,004 | 720 | 244 | 225 | 112 | 6.4 |
| 令和6年度(2024) | 128 | 1,008 | 744 | 334 | 319 | 168 | 4.4 |
| 令和7年度(2025) | 137 | 1,079 | 787 | 328 | 311 | 160 | 4.9 |
| 令和8年度(2026) | 145 | 1,055 | 771 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | ― |
表の見方について、いくつか注意があります。
- 令和3・4年度は区分名が「事務」です。事務(ICT)の区分は令和5年度からで、令和5年度以降は「事務(一般事務)」の数字を載せています
- 令和3〜5年度の採用予定数は「○名程度」という表記です
- 令和6年度までの実施状況は1年度に1つの表です。令和7年度からは春試験もありますが、春は福祉の区分だけなので、事務の数字は秋試験の表から取っています
令和8年度は「1次受験者数」まで
令和8年度(2026年度)の秋試験は、2026年9月18日に更新された実施状況で、採用予定数・申込者数・1次受験者数までが公表されています。
1次合格発表は10月23日、最終合格発表は11月20日の予定です。1次合格者数・最終合格者数・倍率は、まだ発表されていません。発表後にこの記事を更新します。
参考までに、申込者数に対する1次受験者数の割合は、令和8年度の1級職が約73%(1,218÷1,668)、2級職が約73%(771÷1,055)です。
数字から読み取れること
採用予定数が増えて、倍率が下がった
1級職の採用予定数は、令和3年度の110名程度から、令和6年度には291人まで増えました。一方で申込者数は1,500〜1,800人ほどで大きくは変わっていません。その結果、倍率は7.6倍から3倍台まで下がっています。
2級職も同じで、採用予定数が44名程度から145人に増え、倍率は12.9倍から4〜5倍になりました。
最終合格者数は、採用予定数より多い
令和6年度の1級職は、採用予定291人に対して最終合格者が385人、令和7年度は予定255人に対して338人でした。採用予定数より多くの人が最終合格しています。
ただし、最終合格しても、区の面接を経て内定が出るまでが採用の流れでした(令和8年度まで)。最終合格者全員が採用されるわけではない点に注意してください。
1次と2次、それぞれの通過率
令和7年度の事務(一般事務)で、段階ごとの通過率を計算すると次のとおりです(人事委員会の発表ではなく、表の数字からの計算です)。
| 段階 | 1級職 | 2級職(主任) |
|---|---|---|
| 1次(1次合格者÷1次受験者) | 約53%(618÷1,177) | 約42%(328÷787) |
| 2次(最終合格者÷2次受験者) | 約58%(338÷584) | 約51%(160÷311) |
1級職は、1次でおよそ半分、2次でさらに半分強に絞られる形です。2級職は、1次の段階でより厳しく絞られています。
令和8年度までの1次は、教養試験が一定点に届かないと論文が採点されず、合格者は論文の総合成績で決まる仕組みでした。1次の通過率は、ほぼ論文の出来で決まっていたと言えます。
2級職は1級職より倍率が高い
どの年度も、2級職の倍率は1級職より高くなっています。採用予定数が1級職の半分ほどなのに、申込者数は1,000人前後と大きく減らないためです。級を選ぶときの考え方は 1級と2級の選び方 にまとめています。
参考:事務(ICT)の倍率
事務(ICT)の区分も、同じ実施状況に載っています。
| 年度 | 1級職 1次受験者数 | 1級職 最終合格者数 | 1級職 倍率 | 2級職 1次受験者数 | 2級職 最終合格者数 | 2級職 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 41 | 22 | 1.9 | 45 | 18 | 2.5 |
| 令和6年度 | 32 | 17 | 1.9 | 30 | 15 | 2.0 |
| 令和7年度 | 25 | 13 | 1.9 | 39 | 18 | 2.2 |
| 令和8年度 | 30 | 未発表 | ― | 21 | 未発表 | ― |
ICTは受験者が少なく、倍率は2倍前後で推移しています。令和5〜7年度は3級職(係長級)のICTもありましたが、令和8年度は実施されていません。
令和9年度(2027年度)の倍率はどうなるか
令和9年度からは、事務(一般事務・ICT)の1次が「SPI3+論文」になり、2次は各区・組合が個別に行います(2026年9月9日の報道資料)。SPI3は受験期間の中で日時と会場を選べるため、受けやすくなる人もいるはずです。
ただし、令和9年度の採用予定数や、申込者がどれだけ増えるかは公表されていません。2次が区ごとになると、区によって倍率が変わる可能性もあります。過去の倍率は目安にとどめ、令和9年度の試験案内と実施状況が出たら確かめてください。
制度全体の流れは 特別区経験者採用とは、過去の論文テーマは 過去問の見方 で整理しています。

