職務経験論文、1級職と2級職で「立場」をどう書き分けるか

職務経験論文、1級職と2級職で「立場」をどう書き分けるか 論文

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この記事の情報は 2026-10-10 時点のものです。最新の情報は、特別区人事委員会の発表を確認してください。

この記事でわかること

  • 問題文の「採用区分」の注記に書かれている各級の職の定義
  • 1級職と2級職で書き分けるときに変える3つの点
  • 同じテーマを1級職版・2級職版で書いたときの違い(例1つ)
  • 書き分けでつまずきやすい3つのパターン

結論から書きます。1級職と2級職の書き分けで変えるのは、本論の取組に出てくる「主語」「範囲」「動詞」の3つです。序論や経験の段落は、基本的にそのままで構いません。1級職は「自分が動く」話、2級職は「係の人が動ける形を整える」話になっていれば、立場は伝わります。

問題文の「採用区分」は公式にこう定義されている

特別区(東京23区)の経験者採用の職務経験論文は、令和6〜8年度とも「あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分※における立場で論じてください」という形で出題されています。この「※」の注記に、各級の職の定義があります。

採用区分 問題文の注記の文言
1級職 係員の業務を行う職
2級職(主任) 係長職への昇任を前提とした係長職を補佐する職
3級職(係長級) 係長、担当係長、主査又はこれに相当する職

令和8年度の試験案内でも、採用区分は同じ文言で示されています。なお、令和8年度の事務(一般事務)の募集は1級職と2級職(主任)で、3級職(係長級)の募集はありませんでした。この記事では、事務(一般事務)で受ける人が多い1級職と2級職を中心に扱います。

どちらの級を受けるかの考え方は 1級職と2級職の選び方 にまとめています。この記事は、受ける級が決まったあとの「書き方」の話です。

書き分けで変える3つの点

次の整理は、公式の定義をもとにした当サイトの考え方です。

観点 1級職(係員) 2級職(主任)
主語 私が、担当業務の中で 私が、係長を補佐しながら係の中で
範囲 自分の業務と、すぐ隣の同僚まで 係全体、後輩の育成、ほかの係との調整まで
動詞の例 実践する、提案する、共有する 調整する、育成する、仕組み化する

ポイントは、2級職の定義にある「係長職を補佐する」という言葉です。2級職は係長の代わりに決める人ではなく、係長を支えながら係を動かす人です。取組の中に「係長と相談して」「係長とともに」を入れると、立場がぶれにくくなります。

一方の1級職は「係員の業務を行う職」です。自分の担当業務の中で何をするかが中心になります。ただし、経験者として採用される以上、前職の経験を活かして「改善を提案する」ところまでは1級職でも書いてよいと当サイトは考えています。

同じテーマで並べてみる(例:人材育成)

練習用のテーマ「職場における人材育成と知識・技術の継承」で、取組と結論を並べると次のようになります。このテーマは練習のために当サイトが設定したもので、出題を予想するものではありません。

部分 1級職版 2級職版
取組1 先輩から学んだことを根拠まで記録し、マニュアルへの追記を係長に提案する 係内で担当者しか分からない業務を洗い出し、係長と相談してマニュアル整備の分担を決める
取組2 担当業務のよくある質問と回答をまとめ、係内で共有する 後輩の相談役になり、定期的な振り返りの場を企画して育成する
結論 1級職として「学ぶ・記録する・共有する」を積み重ねる 主任として係長を補佐し、係全体で知識を受け継ぐ仕組みをつくる

1級職版は、主語がずっと「私」です。自分が学び、自分が記録し、それを係長に提案します。

2級職版は、同じ「マニュアル」の話でも、自分が書く人から、係のみんなが書けるように段取りする人に変わっています。テーマが変わっても、この動かし方は同じです。

経験の段落は書き直さなくてよい

本論1の経験の段落は、級によって書き直す必要はありません。ただし、2級職で受ける場合は、経験の中に「後輩に教えた」「ほかの部署と調整した」など、人を動かした場面が少しでも入っていると、本論2の取組とつながりやすくなります。

経験から取組へのつなぎの一文を、級に合わせて変えるのがおすすめです。

  • 1級職:「この経験を踏まえ、私は1級職として、担当業務の中で次の点に取り組む」
  • 2級職:「この経験を踏まえ、私は主任として係長を補佐し、係全体で次の点に取り組む」

論文全体の組み立て方は 職務経験論文の書き方 で、4段構成と字数配分の目安を説明しています。

書き分けでつまずきやすい3つのパターン

1. 2級職版で係長を飛び越える

「係の方針を決める」「係員に指示する」と書くと、係長の仕事に見えます。2級職の定義は「係長職を補佐する職」です。決めるのは係長、主任はその準備と実行を支える、という書き方にします。

2. 1級職版で遠慮しすぎる

「指示されたことを正確にこなす」だけでは、経験者として採用する意味が伝わりにくくなります。担当業務の範囲で、前職の経験を活かした提案や工夫を書きます。反対に「区全体の制度を見直す」のように範囲を広げすぎると、立場を超えた内容になります。

3. 結論だけ「主任として」に変える

結論を「主任として」に変えても、本論の取組が自分の作業の話のままだと、立場がそろいません。書き終えたら、本論の主語と範囲が結論の立場と合っているか、最後に読み直します。

書き終えたら確認すること

  • 本論の取組の主語が、受ける級に合っているか(1級職は自分、2級職は係長を補佐しながら係で)
  • 取組の範囲が、1級職なら担当業務、2級職なら係全体に収まっているか
  • 2級職で「決める」「指示する」など、係長の役割に見える言葉を使っていないか
  • 1級職で「指示に従う」だけで終わらず、提案や工夫が入っているか
  • 経験から取組へのつなぎの一文と結論で、級の名前をはっきり書いているか

練習のしかた

  1. 自分の経験ネタを1つ決める
  2. 公表されているテーマ(令和8年度「業務改善と生産性向上について」など)で、1級職版と2級職版の取組を2本ずつ骨子で書く
  3. どこを変えたかを「主語・範囲・動詞」で自分で説明してみる

自分で説明できれば、本番で受ける級の立場に合わせて書くときにも迷いにくくなります。

有料パックについて

職務経験論文の答案例(1級職)と、2級職で書く場合の書き換えのポイントは、特別区経験者採用 論文・面接対策パック に収録しています。自分で書き分けを練習したあと、答え合わせの材料が欲しいときにどうぞ。

出典

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